ずっと、ずっと想っていた。 初めて見た、初めて話した あの日から ずっと。 なのに、 「し、宿題忘れた…っ!」 俺たちの関係は、友達 フレンド 「アーン?またかよ…」 「だああああしかも数学!OHイッツあたしの苦手教科!!」 「ちょっと落ち着けお前。…フッ、写させてやろうか?」 「や、やだ!人の手は借りないわ!」 「…数学二限目だぜ?分かってんのかよ」 「……か、貸して」 「『貸して下さい景吾様』」 「狽、ぇっ!?………か、貸して下さい景、吾…様」 「…ホラよ。ったく、お前にノート貸すのは何回目だ…」 「いつものことじゃん☆」 「開き直ってんじゃねぇよ」 「じゃっサンキュー!」 は笑顔で礼を述べると、自分の席に走っていった …そんな姿も可愛く見える(重症だな)(寧ろ自分がキモイくらいだ) 『貸して下さい景吾様』 …こんな方法でしか景吾と呼ばせられない俺が情けねぇ 「…で?百戦錬磨の跡部クン?」 「…何だ、」 「まぁーだに告白しないワケ?」 「…大きなお世話だ」 「ふぅん?まぁアンタも知っている通りあの子は可愛いし、(小動物みたいだし) 正確もサバサバしててそれなりに人気はあるんだからね、取られちゃうわよ?」 「うるせぇ。(アイツが可愛いのは俺が1番よく分かってんだよ)」 必死に宿題を写すを見て、自然と頬が緩んだ(横でが「うわバカ」と言ったのが聞こえたが気のせいだろう) 「…いくらアイツを彼女というポジションに置きたくても、失うくらいならこの距離でも俺は満足なんだよ」 隣で驚いて(寧ろ呆れて)声も出せないというを一瞥してから、俺はに歩み寄った 「どうだ、調子は」 「順調!」 「…写すだけだからな」 「それは禁句ってヤツでしょ」 くすくす笑いながら数式を写してゆくを見つめながら、さっきのの言葉を思い出した 『取られちゃうわよ?』 そんなの、絶対に嫌だ 許せねぇ。 …とか言いつつ、告白できない俺はきっと小心者なんだろうな(忍足あたりに言ったら「絶対嘘や!」とか言うだろうが) 矛盾してる。 「あたしは数学の問題の答えより跡部のホクロの謎が知りたいけどなー」 …好きだ、( そして俺様のホクロに謎なんてねぇよ ) 跡部が好きだ …って、本人にそう言えたら良いんだけど。 ずっと、ずっと好きだった。 初めて見た、初めて声を聞いた あの日から。 ずっと。 …なのに、あたし達は友達。 ともだち。 1番近くて、1番近いのかもしれない、そのポジション。 …はぁ。 「?どうしたのよ溜息なんか吐いちゃって」 「いや…跡部カッコいいなとかそんなこと思ってないから。」 「思ってんじゃないの。…いい加減、告白したら?」 「大きなお世話!」 「…分かってると思うけど、容姿端麗 眉目秀麗、成績優秀、あのテニス部の部長、オマケに生徒会長。 どれだけモテるのかなんて、アンタが1番分かってるでしょ?取られちゃうわよ?」 「うるさいな!」 「(…この子達面白い…!全く同じこと言ってるわ…!)」←心の中で大爆笑 1番心配しているように見えて1番楽しんでる人物・ なのであった。 「あ」 靴箱を開けた途端、が変な声を出したので隣に居たが靴箱を覗き込んだ。 もしかして、嫌がらせ…?とか思いながら。 しかし 「あ」 嫌がらせとは正反対のもので。 と同じ様な声を上げる 「こっこれは…!」 「うん(ラブレター、だな)」 「果たし状…!」 「違う」 「…鋭いツッコミありがとう。因みに今のボケはワザとですから。…で?ラブレターねぇ…どこの物好きだオイ」 裏を見れば、 「……鈴木 一郎?」 「何そのそこら辺に溢れてそうな名前」(すみません…) 「知ってる?」 「知らん」 可哀相な鈴木くん。 それよりも… さま 貴方のことが好きです。 今日の放課後裏庭で待ってます 鈴木 一郎 「(これは面白いわね…)ちゃんと返事しに行きなさいよ」 「えー面倒くさ」 「行きなさい」 「…ハイ」 そんなこんなで放課後 IN裏庭(適当だな) 「・・・えーと。アンタが鈴木一郎とやら?」 「そ、そうです」 明らかにオタクっぽい男。(ああキモイ)(コラ) 「(跡部がどれだけカッコ良くていい男なのか実感するよ…)えーと…お付き合いできません、すみません」 「な、なぜですか!?」 「だってアンタのこと好きじゃないし」 「そ、そんなの」 「それに…」 「好きな奴、居るし」 「…!」 「…っ!」 「…えっ跡部!?」 現れたのは跡部様。うわーお王子様っぽーい(棒読み) 「テメェ失せろ」 「あ 跡部くんには関係ないじゃないか!」 「ある。あるな。大有りだ。ってことで失せろ」 「そん」 「は渡さねぇ。…これが最後だ 失せろ」 「…っ!」 鈴木くんは走り去って行った(チーン) 「…あの 跡部くん?」 「キモイやめろ」 「(ムカ)えーっと…その…渡さないってのは…」 あたしが自惚れていない限り… 「…あーもう! ……好きだっつってんだよ バーカ」 悪態を吐きながらもそう言った跡部の表情は酷く優しかったので、それが本当なんだと実感した。 「あ、あの」 「そういえばお前好きな奴いるってなぁ?」 「聞いてたのか!(ノー!)」 「ああ」 「…あの その」 「まぁ相手が誰だろうとお前はその内俺様を好きになる。なんたって俺様がこれだけ好いてやってんだからな」 「…ひっじょーに言いにくいんだけど」 「あん?」 「…あたしの好きな人って アンタなんだけど」 「…は?」 「いやだから…」 「もういい」 「アーン?」←感染った 「…お前が 俺を 好きって?」 「そう」 「本当に?」 「本当」 「友達じゃねぇのかよ」 「それはこっちのセリフ」 「……好きだ」 「あたしも好き」 優しい腕に抱締められて、たくましい彼の胸板に顔を埋める ああ、好きだなぁって 今更ながらに思って。 「好き好き好きー…ばーか好きすぎてばーか」 「お前頭大丈夫か」 「うるさいわね。好きなのはしょうがないでしょ」 「…ふん、俺の方が好きだがな」 「絶対違うーあたしのが好きだっつの!」 「俺だな」 「あたし!」 子供みたいに言い合って、互いに疲れたところで顔を合わせて笑った。 ああ 幸せだなって なんとなく、思った。 ずっと、ずっと好きだった。想っていた。 初めて見た、初めて話した あの日から。 ずっと。 今の関係は 「景吾ー!宿題写させてーっ」 「相変わらずバカだなお前」 名実ともに 恋人 です END 06/08/01 1周年御礼企画 季夏 花卉様リクエスト。 …。何でこんなにギャグテイストになってしまったのでしょうか。 甘、とのことなのに…甘いか…??(オイ) いやほんとすみません微妙で; 駄文ですが、花卉様に捧げます。 1周年、リクエスト、有難うございました! 花卉様のみ苦情可。 By 紫陽華恋 |