「。その菓子俺にも食わせろよ」 あの天下の跡部景吾が少し甘さを含んだ声色で囁くように言葉を紡ぎながら顔を近づけても 「なに、景吾。あんたクッキー好きだったの?似合わない…っつーか無駄に顔近づけるクセやめてよ」 その少女はそれを人と1対1で話すときは顔を近づけてしまうという彼のクセだと思い、 「違ぇよ バーカ。お前が作ったからだ」 そんな甘い声色で甘い台詞を吐かれても 「あたしが家庭科部部長だからー?言っとくけど副部長の方が美味いよ?」 見事そんな勘違いでかわしてしまう 成績優秀眉目秀麗。 この他にも並べれば並べる程 あまりに素晴らしい言葉が並びすぎる跡部景吾が想いを寄せ迫る相手は かの有名な太郎(43)も思わず顔を歪めてしまう程ビックリの 天然少女だったのだ(因みには(43)の姪だったりする) 天然少年少女 「「 あっはっはっはっは! 」」 「黙れ、テメェ等。特に忍足」 「やって、そこまで言うて気付けへんねんもんなぁ…流石やわぁ。っつか何で『特に俺』なん」 「アイツが天然過ぎるんだ。『特にお前』なのはお前に言われるとウザさ120割増しだからだ」 「笑えたぜー侑士。何でお前あの場に居なかったんだよー」 「そーそー!それから更にアトベが腰に腕回しても『何?寒いの?』で流しちゃったC!」 「ぎゃっはっはっはっは…ってうぎょわー!ヤカン投げんといて!」 「テメェ等ちょっと黙ったらどうだ!レギュラー落ちさせるぞ」 ぴたっ 一気に静まる部室内。 「職権乱用ー」 ジローの言葉に忍足と向日が続いた。 因みにこの話題で跡部をからかっているのはこの3人だけで、他のレギュラーと言えば別のソファに座り さっきが置いていったクッキーと紅茶を飲食しながらその光景を見つめていた 「…でも、鈍いのは跡部さんも同じですよね」 「だな」 「先輩だって結構表情と態度に表してるのに。…フン、修行が足らないんだ」 「おい若…何の修行だよ何の…」 「確かに、日吉の言う通りだよね。 跡部さんが近づけば近づくほど先輩、赤面していくし言葉遣いだって素っ気無くなってくし…」 「照れ隠し…なんだろうね」 「滝、いたのか」 「いたんですか?」 「…。(いたのか、という視線)」 「…キミ達、いい度胸だね」 そんなテニス部レギュラー専用部室。 ああ、なんて騒々しい。 こんなので本当に優勝できるのか、と 樺地は1人こっそりと、すぐそこに迫っている大会のことを案じた そして、樺地が案じた大会当日(因みに地区予選) 「景吾ー負けんなよー」 「ハッ お前はそこでじっと俺のことでも考えてな」 「馬鹿なこと言ってないでホラ試合試合!」 「…照れてますね」 「照れてるな」 「可愛ぇなぁ」 「侑士、跡部を敵に回す気か?」 「まっさか」 「ん〜…?」 そんな青春ラブコメディ(違)を木の影から見守っていた 此処には居ないはずのレギュラー陣(地区予選だから) 実はこっそりと『 跡部との恋を応援しよう委員会 』が結成されていることを二人は知らない 「お前の為に勝ってやったぜ」 「おめでとう。ほら、ドリンク。( ←お前の為に…は無視らしい )…ちょ、暑苦しいなぁ近寄らないで」←照れ隠し 「次も応援、来いよ。俺様の為だけに」 「馬鹿じゃないの?氷帝の応援だっつーの」←そう言いつつ跡部の応援しかしない 「何でくっ付けへんのやろな、アイツ等」 「知らん」 そんな2人が正式に恋人同士となるのは翌年の3月に控えられた卒業式の日だったりする(遅) END 06/08/09 1周年御礼企画 葉月様リクエスト。 な、何だろうコレ…! すみません。あまり跡部様主人公に迫ってなくてすみませんっていうか主人公の出番が少ない(!)そして短いなコレ ギャグも微妙…でもこれが限界です… 駄文ですが…葉月様に捧げます! 1周年、リクエスト、有難うございましたっ 葉月様のみ苦情可。 By 紫陽華恋 |