貴方があまりに無頓着だから 煙草、依存、そして あなた 「…おい」 静かな世界に響く、1つの声 「……」 「オイ」 凛としていて、揺らぐことの無い、 「……」 「」 あたしの大好きな 大好きな 声 ―――――依存するほどに 愛しい、 「…なに?」 「俺様が呼んでやってんのに遅い返事だな アーン?」 問われることなど分かっていた 寧ろ、こうでもしないと貴方は話し掛けてくれさえもしない 「だってあたしの名前『おい』じゃないし」 「…お前、それ いつ吸い始めた」 「…昨日、だけど?」 あたしが口に咥えている、世間一般では20歳からと言われる 俗に言う、煙草を視界におさめ、貴方は問う ―――いつもいつも あたしの姿は その視界におさめてなどくれないのに 「そうか」 たった、それだけ。 貴方が興味を示したのなんて、ほんの一瞬。 「(…けむり)」 20歳からしか吸ってはいけないなんていうキマリ …身体に悪いのは分かる。それくらい。 けれど、何故20歳からなのかがわからない。 20歳から吸ったところで、身体に害が無くなるわけではない 子供より大人の方が体の中が丈夫だからか 「…死ぬわけでもないのに」 灰が真っ黒になって、肺ガンになる可能性があるというのはよく聞く だが、時々であればそんな風にもならないだろうに ―――煙草は依存だ そう、 どれだけ興味を示してもらえなくても どれだけあたしのことを見てくれなくても 「景吾」 あたしが、 「愛してるわ」 貴方のことを想っているように。 これは 依存。 単純な、色恋なんかではなく。 下らないことだと分かっていた 愚かだと。 けれど 「―――知ってる」 唯一、貴方があたしを見てくれて、あたしにだけの言葉を掛けてくれて、少しだけ、微笑んでくれるこの一瞬が あたしの依存…、唯一の生き甲斐、だなんて 「ばーか」 貴方が聞いたらきっと、いつものようにスルリと切り捨てるんでしょうね もう吸うことの出来なくなった、用済みの煙草のように… END 06/08/19 1周年御礼企画 莉緒様リクエスト。 すみませんすみませんカンッペキ個人趣味です;; こういう文章が大好きでして…! 設定は、一応ヒロインは跡部の本命彼女なんですが、跡部に浮気相手もたくさんいらっしゃいます でも跡部はヒロインが本気で1番好きなんだけどそれに気付いてないヒロイン。 よく分からん駄文ですが、莉緒様に捧げますっ…! 1周年、リクエスト、有難うございましたっ 莉緒様のみ苦情可。 By 紫陽華恋 |