サンタのおくりもの 「…今夜は俺と過ごすだろ?アーン?」 「クソクソ跡部っ!んなワケねぇだろ?は俺と過ごすんだよなっ?」 「俺とだC!! だよねっ?!」 「お前ら何勘違いしてんだよ 激ダサだな 俺に決まってんだろ?」 「宍戸さんこそ何言ってんですかv「ヒッ」俺ですよね?先輩」 「やるねー皆。でも、は俺と過ごすんでしょ?」 「…何言ってるんですか。さんは俺と一緒に下剋上するんです」「「「「「お前こそ何言ってんだよワケわかんねぇよ」」」」」 「ウス(俺…ですよね)」 みんなが私に詰め寄って、ある意味競いながら口々に何か私に誘いの言葉と キラキラと期待の眼差しを向けてくる。 ありがとう でも私は―… 「何言うてんねん…は俺と過ごすんやんな?」 コイツが好きだし。 今日はクリスマス。 昨日のクリスマス・イヴはテニス部の面々でクリスマスパーティを跡部邸で盛大に行ったばかり。 クリスマスでも部活のある氷帝男子テニス部のマネージャーである私は、 いつもと変わらず朝から学校へ来て真っ先にテニスコートへと向かい、 用意をして いつも通りのマネージメントをしていた。 そして練習の合間…つまり、休憩に入ると、レギュラーの面々が私に近づいてきては クリスマスデートを誘ってきていた。 ―…分かってる。みんなが私に好意を持ってくれていること。 自惚れでも、自意識過剰でも無い。 …ただ ハッキリと言われたから。 みんな、それぞれに、「俺はが好き」だと。 返事もちゃんとした。「無理」だと。(酷い) けれどもまだ私に向かってくるこの人達は それだけ自分に自信があるのだろう。 ―けれど。 忍足にだけは 言われていない。 『好き』って… だから、忍足はたぶん、私のこと好きじゃない。 けれど誘ってくるのは、みんなに悪ノリしてるんだろう…。 そう思い、私は全員…そう、忍足の誘いでさえ断った。 一人一人呼び出して、ちゃんと、ハッキリと。 ―…ただ、忍足の時は泣きそうになったけど…気づかれてない。…はず だし そんなこんなで部活も終わり、帰宅時間となった。 私は皆に最後の「ごめんね」と「また次の部活で」と別れを告げて、門を出た。 一人で歩く帰りみち。 いつもと何も変わらない筈なのに、何でか今日は寂しく思えた。 トボトボと歩いていたら、キィ…キィと、さびたものが揺れる音が聞こえてくる。 その方を見やれば、小さな公園に佇むブランコが、風で無人で椅子を揺らしていた。 その姿は まさに“寂しそう”。 無意識か本能か。 私の体は自然とそのブランコへと近づき、腰を降ろした。 寒い。 けど、そんな事も忘れるくらいに、 “寂しい”という思いと、 忍足への想いが 胸を渦巻いていた。 ―ねぇ サンタさん。 欲しい物をくれるなら 今すぐ忍足を此処に連れてきてよ 心が欲しいなんて そんなベタな事は言わないから せめて せめて 想いを伝えさせて―… 陽が沈み、緋色に染まる空に願う。 5秒くらい空を見た後、自嘲するように笑い、俯いた。 「っば、かだよなぁ私… こんな…信じもしないサンタにお願いするくらいなら… ちゃんと、言えば…良かっ、た…のに」 涙で途切れ途切れになりながらも、独り言を呟く。 ジャリ… 不意に、靴が砂を踏む音が聞こえ、涙も拭わずバッと前を見る。 涙で掠れて周りが良く見えない。 けれど―… 「なん、で…泣いとんの…?」 コイツの姿だけは ハッキリと見えたんだ ねぇサンタさん …ありがとう。 私の願い事、叶えてくれて。 「っ…忍、足… 私…」 「ん…?」 私の涙拭いながら、忍足は優しく相槌を打つ。 「忍足がっ、好きっ」 私の言葉に忍足は特に驚きもせず、ただ 優しく微笑んで 「…知ってる」 それだけ言って、私を抱き締めた。 …自惚れでも良いよ だから…はっきりとした貴方の気持ちは まだ、良いから。 あとで いいから。 だから 今は―…もっと強く 抱き締めて。 By Love Mistake. 紫陽 華恋 2005/Christmas/Request dream novels 莉緒様リクエスト。 氷帝逆ハー要素がちょっとしか無い…!!(しかもギャグ気味) ご…ごめんなさ… しかも忍足オチ…ってもとからオチてるけど(何) まぁ…許してください…あんなんで…(苦笑) 駄文ですが、リクエスト、有難う御座いました! 莉緒様のみ、苦情、お持ち帰りOKです。(お持ち帰りの場合は、<!-- DreamMaker から Request dream novels</font>までコピーしてって下さいね) |