「あのさ…よければ、こんな状況に至った経緯を教えて欲しいんだけど」 「すみませんさん 宜しければ私がご説明致しますが」 「…頼む ヒロ…」 おいでませ☆邸★ 「…と 言う訳です」 「…つまり、赤也の所為なんだな…」 「そういうことですね」 ヒロ(柳生)の説明によると、先日 部活が終わって皆が部室に着替えている時に、 赤也が、この間俺の家に来たという話を持ち出したそうだ そしてその時に庭にテニスコートがあったということを思い出し、打ってみたいと話し出した その話題にブン太と仁王が便乗し、その会話を聞いて「俺もデータを集めたい」と蓮二が言い出し、 ジャッカルも「良ければ行きたい」と弱弱しく主張し、真田も心の中では行きたいと思っていたという。 そしてそこに、ベストタイミングで幸村から電話がきたとか。 その会話内容は、 『の家に行くなら、お屋敷との私服とテニスのプレイ中の写メをヨロシクw 撮って来ないと知らないゾw』 だそうだ。(幸村は病院にいる筈なんだけど)(どうやって会話を聞いたんだ)(…愚問、か) そして結果、その次の休日に7人で俺の家に押しかけてきたというわけ。 「…はぁ 分かったよ 上がれ」 「「「お邪魔しまーっす」」」 そう元気に返事したのは赤也、ブン太、蓮二。 …え、蓮二?お前そんなキャラだったか? 「…多分、データが取れるってんで歓んでんだよ」 「はぁ…」 ジャッカルの言葉に、俺は納得するほかなかった。 俺の部屋に荷物を置いて、テニスウェアに着替え、ラケットを持って全員で庭へと移動した すれ違うたびに頭を下げる使用人達にみんな驚きながらも、蓮二だけはなにやらブツブツと言っていた …データ収集? 「ここだ」 「スゲー… この前はちゃんと見れなかったんスけど、想像通り凄いっス サン!家の庭にテニスコートが3面もあるなんて!」 「…お褒めの言葉どうもアリガトウ」 各々ぎゃぁぎゃぁ騒いでる。 コートの広さとか、綺麗さとか、はたまた庭から見た時の、また違う屋敷のデカさとかに。 …蓮二は、相変わらずブツブツ言ってるけど 「ちゃんと準備運動しろよ」 「分かってるっスよ!」 「分かってらぃ!」 赤也とブン太は似てる。めちゃくちゃ似てる。元気だし、単純だし。 …でも、しっかりするところではしっかりするんだろうな、とは思う。 「 試合せん?」 「仁王?どうしたんだよ、イキナリ」 「まぁえぇじゃろ。で、どうじゃ」 「試合は嫌だ。ただのラリーなら良いけど」 「…プリ まぁえぇと。ホラ、コート入るぜよ」 「(???)あぁ」 何か訳が分からないけどとりあえずコートに入る ネット際で、握手。 「…試合じゃないからな?」 「分かっとるよ。んで?フィッチ?」 「…スムース」 カラカラカラ...カラ、ンッ 「スムースじゃけぇ」 「じゃ、サーブ貰うぜ」 「ドーゾ」 ラケットを握る手は、左手で。 (…仁王も左利き、か) ヒュッ… (んー…普通のサーブで良いよなぁ…) これは、ただの遊びなんだ。 今のところ、何事もなく暫く打ち合っている。 けれど、気になる事が一つ。 「仁王…そんな探るような視線、やめてくんない?」 「…俺のクセじゃけぇ 気にすんな」 (気にするわ!!) 探るような視線は嫌いだ 嫌い、なのに。 なんか… (仁王のは…) いやじゃない、というか… (…優しい?) 見守られている様な そんな視線。 (…。) 「赤也?どうしたんだぁ?」 「買uブ、ブン太センパイっ!?」 「?何だよ」 「いえ…」 見てて、気に入らない。 仁王センパイと サン。 (二人の世界作りやがって…) ムスっと二人のことを見てたら、ブン太センパイも気付いたみたいで、 …うわ、大好きなデザート取られたときみたいな顔になってる 「…」 「…」 「(もー我慢ならねぇっ)ー!」 「煤I?」 「っえ?…ブン太?」 いきなりブン太センパイが叫んだので、サンは素っ頓狂な声を上げた。 向かって来たボールをラケットでイナし、こちらを見ている 「次はオレっ!オレと!」 ぎゃぁぎゃぁと主張するブン太センパイはまるでガキみてぇだ (…ってちょっと待て。) 「オレもサンとやりてぇっス!!」 …前言撤回。 ガキみたいなのは、ブン太センパイだけじゃないのかもしれない。 (オレもガキみてぇ…) 「…ふむ。」 「狽ネ、なんだよ柳」 「どうした…蓮二」 隣に居た柳がいきなり頷いたので、ジャッカルは怯え(?)つつも柳に問うた 続いて、真田も問う 「いや…あの3人は見ていて面白いなと思ってな」 「3人?」 「仁王、丸井、赤也… まぁ、面白い原因、を加えると4人、か」 「…はははは…」 柳の言葉に、ジャッカルは苦笑した 真田も帽子を被り直し、頷いた 確かに、その通りだからだ。 今も、丸井と赤也はぎゃぁぎゃぁと どっちが先か、などと叫んでいる。 「あーもうお前ら五月蝿ぇ! 二人いっぺんにやりゃ良いだろ。相手してやるよ」 「「は?」」 「俺1人対ブン太と赤也。俺から1ポイントでも獲ればお前らの勝ち。 俺が1ポイントでも獲ればお前らの負け。…まさか、負けるわけないよな?」 がニヤ、と笑って言うと、ブン太と赤也は簡単に挑発に乗り、 「「そう言った事、後悔させてやる!!」」 二人仲良く叫んだのだった。 「フフフフフフ」 「狽ネ、なんだよ柳 「どっ、うした…蓮二」 先ほどと同じ様に驚くジャッカル。 …いや、先ほどより恐い。 証拠に、真田までもが言葉に詰まっている 「いいデータがとれそうだ…」 2人対。 確かに、の実力が問われるところだ。 自身はただの遊びと思っているが、ブン太と赤也にとって、試合以外のなにものでもない。 サーブは赤也から。 いきなり、ナックルサーブを打った。 「…赤也 もしを傷付けたりしたら幸村に殺されるぞ」 「狽ぁああ忘れてた!もう遅いっスよ!!!」 柳の言葉に赤也はそう叫び返すが、時既に遅し。 サーブはの足元でギュルルル、と嫌な音を立てていた 「へぇ…いいサーブ打つんだ、なッ」 しかしは、顔面狙って跳ね上がってきたボールをいとも簡単に打ち返した。 「おぉっとと!」 赤也がさらにそれを返す。 勿論、のいたほうとは反対のクロスへ。 しかし、 「「!!」」 「手塚ゾーン…?」 柳が小さく呟いた。 「いや、打っているのはなのだから、ゾーンではないか?」 「そんなダサイネーミングやめてくれ、真田!」 真田の言葉にも、はしっかりと反応。 けれど、ラリーは続いている。 「(ナルホドね…あんな自信満々に言う理由が分かった…! ――でも!)」 不意に、ブン太のラケットの向きが変わった。 ――トッ 鉄柱に向けて打ち返した――筈だった。 「「!!」」 しかしそのボールまでもがの元へ吸い寄せられてゆく。 「っと」 がコーナーギリギリへとボールを返した。 しかし辛うじて赤也が拾う。 しかし、そのボールは甘いロブとなっての元へ向かっていった 「1度、やってみたかったんだ」 「え…」 がスマッシュを放った。 しかしそのボールは赤也のグリップへと当たり、赤也の手からラケットが落ちる そしてさらに戻ってきたボールをスマッシュで打ち返し――… 「『破滅への輪舞曲っ』」 赤也の真横に、突き刺さった。 「…俺の勝ち」 そう言って微笑ったに、ブン太と赤也は数秒間その場に立ち尽くしたのだった。 「フフフフフフゲフ、フフフフ」 「(今つまりやがった)」 「ジャッカル いいデータといいショットが取れたぞ」 「いい…ショット?」 「幸村の指令だ。プレイ中の写メ。」 「あぁ…ちゃんと撮ったのか」 「当たり前だろう 俺だって、まだ死にたくはないからな」 「…」 「っはぁー!疲れたー!!」 「なんか遊びでテニスしたのって久しぶりっスよねー」 ブン太と赤也は暴れ疲れたのか、コートの上に仰向けに寝転んでいた。 それを見て、は全員に聞こえるように叫ぶ 「みんな、ラケットはココに置いて、今から風呂入ってこい!」 「え?」 「どういうことっスか?サン」 「ウチの大浴場貸すから。ホラ そこに居る執事に付いて行け ――頼んだぞ 八尋」 「様のお心のままにv」 八尋がにっこり微笑む。(…胡散臭い笑み…) みんなはラケットをベンチ付近に置くと、ぞろぞろと八尋に付いて行った。 一人になったコートでふぅ、と息をつく。 「疲れた…けど 楽しかった…。」 家のコートで友達とテニスをするなんて 初めてだった。 だから楽しさよりも…、嬉しい。 「また、氷帝の奴らも連れて来ようかな」 夕焼けに染まった空を見上げ、小さく呟いた。 ― 一方風呂では― 「「広ぇーーーーっ!!」」 ブン太と赤也が叫んだ。(因みに二人の格好は裸だが、ちゃんと腰にタオルを巻いている) その叫びはまるで、初めてこの家に来た時の叫びとよく似ていた。 「…二人とも、五月蝿い。 此処は風呂場じゃけぇ、声が響く」 「「スンマセン…」」 「ふむ…これもいいデータだ」 「あ、あのさ柳…ちょっとは隠そうぜ?」 「フフフフフフ」 「…」 柳はデータ収集に夢中なのか、全裸だ。 どこも隠していない。(多分テレビだとマル秘マークがついているだろう) 「ム、いい湯だ」 「そうですね」 真田と柳生は普通に温泉気分。 ―バッシャーン! ―バッシャーン! 丸井と赤也はプール気分。 「ぶつぶつぶつぶつ…」 「た、頼むからタオルくらい巻かねぇか?」 柳はデータに夢中。 ジャッカルは全裸な柳にアタフタ。 「…参謀、中々じゃの」 そんな柳の大事なところを見て、仁王がそう呟いたのは誰も知らない。 「あ みんな出てきた」 「いいお湯だった 礼を言うぞ、」 「いや、そんな畏まらなくてもいいよ…真田(お前何歳だよ)」 「また入りたいっス!」 「気が向けばな」 の部屋で荷物の整理。 コートに置いていったラケットは、…基 八尋が部屋へと移動させたのだ 「じゃぁな みんな 今日は楽しかった」 「いきなり押しかけてすみませんでした」 「いいよヒロ お前の所為じゃない。なぁ、赤也?」 「狽ヲっ!?あ、あはは、そうっスよねぇ〜」 ワザとらしく赤也を見たら、赤也はダラダラと冷や汗を流して視線を泳がせていた (まぁいいけどな) 「じゃ、気をつけて帰れよ」 「「「「ウィーッス」」」」 ぞろぞろと家を出て行く。 その中で、ただ、 「…?どうした 仁王」 「………何もない じゃぁの」 「?うん」 仁王だけが残ってこちらを見つめていたけれど、 問えば何もないと言って、仁王は去って行った。 …意味分からねぇ! まぁいいか 「」 「なに、八尋」 「楽しかった?」 「…あぁ 楽しかった。」 「クス、良かったね」 「あぁ」 空を見上げれば 既に月が輝いていた。 END 06/4/04 50000HIT御礼企画 明珠 様リクエスト。 すみませんすみませんすみませんすみまs(土下座) ギャグ通り越してちょっぴり下ネタ街道走っちゃいました…!!!(お風呂辺り) もうなんとも言いません…苦情でも何でもバッチコイです。 駄文(&下ネタ)ですが、明珠さんに捧げますっ 50000HIT、リクエスト、有難うございました! 明珠様のみ苦情可。 (お持ち帰りの際は背景の直リンクだけはしないでくださいませ) By 紫陽華恋 |