愛し愛されるということは、両側から太陽を浴びるようなものだ。@@ 「いやいやいやありえないから。普通にありえないから。太陽は1つしかないっちゅーの」 「そんな現実的に考えたら終わりだろィ。ロマンを持てよロマンを」 「総悟はあるの?ロマン」 「俺はリアリストですぜ。ロマンなんて大気圏外でさァ」 「大気圏外!?じゃあミジンコ程度もないって?」 「そうは言ってねェ」 多少はロマンくらいありやすよ、と隣でほざく男。 真選組1番隊隊長、沖田総悟。ちゃんとはしらないけれど、多分出身地はサディスティック星だろうと思う。 そんなサディスティックでサドでSな総悟は、信じられないことに真選組の女中である私と…あの、その…(もごもご) ここは真選組屯所の縁側。体の右側が暖かい。きっと、太陽がてらてらと輝いているんだろう。 左にいる総悟は目を伏せて何かを考えてる様子。その姿がとても格好良い。さらさらと、色素の薄い髪が風で揺れて、 太陽の光に透けていた。髪が輝いてる。 まるで太陽みたいに ( ―――あ… ) 「」 「へ?」 呼ばれて、そちらに体を向けた刹那 訪れたのは温もり。太陽のような。 相も変わらずその髪は輝き透けて見えて、太陽みたいだ と 思った。 「これでどうでェ。多少のロマンは持ち合わせてるだろィ?」 ( ―――ああ、そっか ) 背に感じる太陽の温もりと、前から私を包み込んでいる“太陽みたいな人”の温もり。 少し意味合いは違うかもしれないけれど、さっき読んだ格言の意味を、理解出来たような気がした。
|