「雲雀さん。雲雀さん」
「…」
「雲雀さんってば」
「…」
「ひーばーりーさ 「五月蝿いな…何なの」 やっと聞いてくれた!」

目の前にいる少女はぴょんぴょこ跳ねている。
馬鹿らしいと思うのにどうしようとも思わないのは何故なんだろうか

はですね、雲雀さんが好きですよ」
「…」
「大好きです」
「聞き飽きたね」

他の女なら今頃躊躇うこともなく噛み殺してやってる。
でも僕はこうして本を読んだままだ
動こうとしない。動くのは、ページを捲る指と唇だけ

「大好きですよ、雲雀さん」

でも本当は気付いてる。そんな理由なんて、

「…知ってる」

そんな理由なんて この口付けだけで充分だ



リーズンノットニード
分かっています、雲雀さん。大好きです、雲雀さん。……ずっと傍に、居ます。ね 雲雀さん。