スタスタスタ てこてこてこ。 スタスタスタ てこてこてこ。 スタスタスタ てこてこ…「あのさ」 「はいっ!何ですか、雲雀さん!」 「…あー…やっぱりいいや」 「がーん!」 「…。」 少女はキラキラした表情から一転、がっかりした表情になった。 …少女は先ほどから並中最恐の風紀委員長であり最強の不良である雲雀恭弥の後ろをてこてこと付いてきていた。 雲雀は初めは無視していたがいい加減嫌気がさしたのか、 少女に振り向き何かを言おうとするが、少女のキラキラした目と表情で何も言う気が失せてしまった。 実はこれは並中の日常茶飯事。 最強最恐風紀委員長雲雀恭弥と、天然少女美化委員長の追いかけっこ(?)は。 何せ、あの雲雀恭弥に恐れもなさず、寧ろ 好意を持ち近づき付きまとう勇気ある少女が、 身長147cmと小柄な可愛らしい美化委員長ともなれば、有名にもなるだろう。 プラス、あの雲雀恭弥が気圧されているのだ。少女の純粋な目と日々の行動に。 他の生徒にすれば驚きは勿論、面白いような、(少女が)心配なような… 寧ろいつか爆発してこちらにも被害がこないかと心配しつつもそんな雲雀を見るのが楽しみの一つでもあった。 幸い雲雀は後ろを付いてくる少女の所為で他に意識はいっていないので気付いていないが、 他の生徒が楽しんでいると知ればきっと一瞬で全員が“噛み殺される”ことだろう。 スタスタスタ てこてこてこ。 スタスタスタ てこてこてこ。 そんなこんなで気が付けば応接室。 「…。」 雲雀はを一瞥する。( はとても嬉しそうに花を咲かせて笑った )( が、すぐに視線は逸らされた ) ・・・。 2人とも動かない。否、違う。は雲雀が動かないから動かないだけだ。 雲雀は違う。動けないのだ。この先の応接室にまでこの少女を入れる気にはなれない ・・・。 無言の攻防戦( むしろ雲雀の一方的な拒絶 ) それは何十分にも及んだ。 結果は… 「雲雀さん!コーヒー入れますね!」 「……勝手にすれば」 ていうか何でコーヒーのある場所知ってるの とか雲雀が突っ込む前にはコーヒーメーカーを起動させていた。 WINNER、。 その日から、 は“雲雀恭弥ストーカー”から“風紀委員長専属秘書”になったという噂が流れたとさ。 “風紀委員長専属秘書”が“雲雀恭弥の彼女”になったという噂が流れるのも、 “並中に新たな最強最恐委員長誕生”の噂が流れるのは、そう遠くない未来である。 |