4月20日。





紛れもなく、俺 丸井 ブン太の誕生日。






毎年恒例の、プレゼント攻撃を受ける。






ケーキだとかクッキーだとか、皆は俺のために食いモンばっかくれる。






当然嬉しいし、両手には持ちきれなくて紙袋いっぱいのプレゼントに嬉々とするも、どこか 物足りなかった

















HAPPY BIRTHDAY  -4月20日 丸井 ブン太-


二 度 目 の の 物 語 ―番外篇―


















「丸井くんっ 誕生日おめでとう!」

「あぁ サンキュー」

「ブン太〜おめでとー!」

「サンキュー」




積まれてゆくプレゼント。


けれどやはり 物足りない。…というか








「(なんか…もどかしい)」








この胸に渦巻くもどかしさは何だ?






確かに、何かをもどかしいと思っているのに、“何が”もどかしいのか分からない。








「(…帰ろ)」








いつも通り部活はあるけど、今日はそんな気になれず、

明日 幸村と真田に叱られても「誕生日だったから」と押し切ろうと決意し席を立ったとき、








「ブン太」








誰かに呼び止められた






































「…ってかさ、何なワケ?」


「ん?」


「何で俺は仁王に手を引かれて…ってか、悪く言えば 仁王と手を繋いで歩いてんの?






さっき俺に話しかけてきたのは仁王だった。


「ちょぉブン太は俺が貰ってくけぇ、すまんの」と周りの女子に言うや否や俺の手を引き…


…今に至る。







「どこ向かってんだよ?」


「駅」


「駅?どっか行くのか?」


「…お前がシケたツラしとるからじゃ

 どうせ、何で もどかしいんか分かってないんじゃろ」


「え?」






…仁王の言葉を考えると・・・


それはつまり、俺が何かをもどかしく感じているのを知ってるってことか?







「…お前は 折角 再会できたのに、ちゃんに祝ってもらえんことがもどかしいんじゃろ」


「!!」


「図星?」







仁王のおかげで気が付いた。



そうだ、俺は…







「…に…祝って欲しい…」


「ん。なら、文句言わずに行こか」


「どこに?」


「…東京じゃ」







明日幸村と真田にどやされるぜ、という俺の言葉も聞かず、


仁王は(未だ手を繋いだまま)東京へと向かった。
























































「…の連絡先 知らねんだけど」


「…。」





仁王も、それを忘れていたらしい。


もし青学テニス部が休みだったりしたら、どうすんだ






「まぁ 多分 居るじゃろ。ほれ行くぞ」


「あぁ…」






もう一度仁王に手を引かれ、歩き出す。


…ってか





「えぇ加減離してくれぃ 仁王…」


「嫌じゃ」


「(意味わかんねぇ…)」






































「「…ビンゴ…」」






狙ったように、今日 青学テニス部は休みだった。






「居ねぇし くそ…」






テニスコートの近くをウロチョロしてみる。


意味はないけど






「――あれ?丸井サン、仁王サン?」


「あ、青学の曲者じゃん よっす」


さんなら居ないっスよ」


「(…コイツにもモロバレなのか?モロモロバレバレなのか!?)」(←意味不明)


さんと不二先輩と一緒に、買い物に行ったらしいっス」





桃城の言葉に、一瞬思考が停止した




「ふっ・・・不二ィィイイイ!?」




刹那、俺の叫びがコートに響く。




「っるさ…とにかく、俺はそれだけしか知りませんからね」



そういうと、桃城は軽く会釈をして去って行った







「…どうする、ブン太」




仁王が、俺の顔を覗きこんで言った




「…決まってんだろ

 此処まで来て諦めるという選択肢はねえ。(その他諸々)を探すぜぃ!」




今度は、俺が仁王の腕を引っ張り走りだした。
























































「――っはぁ…はぁ…居ねぇ…っ…」






それなりに知っているとは言っても、地元の人間じゃない。


そのおかげで何処にどんな店があるのかも知り尽くして無いし、何を買いに行ったのかもしらない。


とりあえず走り回ってみたけど、は未だ発見できず。





太陽は、もう沈もうとしている。






「…ハァ…ブン太…もう、諦めん…?」





俺を東京につれてきた張本人がそう言った





「…見つかるまで帰らねぇよ」





俺の決意は揺るがない。


そのことを理解したのか、仁王は一度大きく溜息を吐いて





「しゃあないのぅ」







まだ、付き合ってくれるみたいだ。






































「(…時間が…)」






見つかるまで諦めないとは言っても、やはり、此処は県外だ。


あまり遅くまでいるわけにはいかない。


諦めの気持ちが心に生まれそうになった時、フ、と 声がした






「――でも、――」

「―――しょうか?私は――」

「でもボ――嫌だなぁ」





バッ、と振り返る。


其処には、声の主






ッ!!」





叫んだ。


周りの目なんて気にせずに。





「――丸、井 くん…?」

…はぁ…やっと…見つけた…はぁ…」

「どうしたんですか…?こんなところで…」

「っはぁ…お前を 探して、たんだ よ」

「私を?何の御用でしょう?」




息が上がって、言葉が途切れ途切れになって上手く話せない。

しかも、誕生日だから祝ってくれ、なんて今思えばそんな恥ずかしい事…




「今日ブン太の誕生日での」

「そうなんですか?丸井くんの…」

「…」




は俺を見つめて、ふっと微笑んだ











「誕生日おめでとうございます 丸井くん」


















甘いチョコよりも 美味いお菓子よりも どんな高価な品物よりも


















「…サンキュ…」


















俺にとってはその言葉が、何より甘くて 何より価値があって――…


















そして何より、


















嬉 し い 。






































誕生日がこんなに嬉しいと感じたのは 初めてだった。






























END





06/4/20

誕生日夢ってね!3
だー!駄文だぁー!
ごめんねブンちゃん!
金魚ちゃんネタにしたのは決してネタが思い浮かばなかったからとかじゃないのよ!(爆)

さんとか不二とかはどうしたのっていう質問は愚問です(あはは←乾いた笑い)

…ゴメンナサイ…orz

次はー…大石?うわビミョー…