「じゃあな、岳人。頑張りや」
「おう!また明日な 侑士」


小さな交差点で侑士と別れ、一人家へと向かい再び歩き始めた

陽も沈んでしまった空を見上げながら、さっきのことを思い出す





『『 HAPPY BIRTHDAY 岳人! 』』


部活終了後、着替えまで終わって後は帰るだけって時に
跡部に職員室に行って監督に書類貰って来いって言われて、俺は仕方なく走って職員室に向かって

帰ってきて部活の扉を開けたらクラッカーと共にレギュラー全員にそういわれて迎えられ、
プチ誕生日会が開かれた

部活後だから、という理由でケーキではなくジュースのみで、俺はプレゼントをいっぱいもらって。

ぶっちゃけ今日が自分の誕生日ってことは覚えてたからちょっと期待してたんだけど、
部活終わっても何もないからみんな忘れてんのかなってちょっと拗ねてた( 爆 )から、
スッゲー嬉しくて。

…でも、沈みかけてる陽を見て俺は大声を上げた


『俺っ!帰る!』
『はぁ?主役が帰ってどないすんねんな』
『ゴメン侑士!でも…帰んなきゃ』
『どうしてですか?向日先輩』
『家で俺の誕生日パーティがあるんだよ』
『…アーン?それなら別に多少遅れても…』
『違うんだよ!……だから、その…誕生日パーティに―――― 』






家が見えてきた。

内心ドッキンドッキンしながら門に手を掛ける


キィ…


開きなれた自宅の門なのに、今日はなぜかとても軽く思えた。


ガチャ


「た、ただいまー」
「おかえりー!待ってたのよ」
「ゴメンかーさん」
ちゃんももう来てるわよ」
「っ……そっか。着替えてくるなー!」
「ええ、待ってるわ」


ドクンドクンドクン

心臓がうるさい。うるさい。うるさい。





…この人物こそが、俺が今日テニス部の皆がやってくれたプチ誕生日会を中断した理由である。



「よ、よし」


着替え終わってから洗面所でどこかおかしいところがないか確認してから、リビングへ向かった。


「おまたせー」
「あっ岳ちゃん!」

ドキーン!

「よ、よぉ!元気にやってるか?」
「当たり前だよ!そっちこそ。…って知ってるよーん。ウチの学校にも噂来てるよ。氷帝学園男子テニス部の噂」
「は!?なんだよそれ!」
「氷帝の男テニは別名ホスト部、イケメンであり変人の集まり、行って良し、俺様の美技に酔いな…「もういい」


の口から発せられた言葉はぶっちゃけ言われなれている言葉だった。

…ていうか殆ど俺関係なくね?

行って良しとか俺様の〜とか人物特定できるし



はお隣さんだ

ゆえに、幼なじみである。

俺の部屋の窓との部屋の窓はかなり至近距離で、両方開ければ余裕で会話できるし家を移ることもできる

まぁそんなことしねぇけど。



「岳人、座りなさい」
「おー」


テーブルの…上座に当たる席に腰掛けた

みんなの顔が良く見える。


「…ハッピバースデートゥーユー」


が静かに歌いだした

みんなも続いて声を揃えて歌いだす

…ちょっと恥ずかしかったけど、すっげぇ嬉しかった





『家で俺の誕生日パーティがあるんだよ』
『アーン?それなら別に多少遅れても…』
『違うんだよ!……だから、その…誕生日パーティに―――

                     ―――――俺の好きな奴も、来るから―――…』






「おめでとう岳ちゃん!」
「おめでとう」
「おめでとう岳人。あなたももう15歳なのねぇ…」


切られてゆくケーキを見つめながら、俺は内心ドキドキしていた

今日、俺は決意したのだ。侑士に誓って。






そのあとの誕生日パーティはどんなものだったかは覚えてない

気が付けばパーティは終わりを迎えていた



「それじゃ、私はそろそろ帰りますね」
「ああ有難うちゃん。…ほら岳人も」
「…ありがとな、。…そうだ 渡したいモンがあるからさ、9時くらいにまた窓開けてくれよ」
「ん?分かった。じゃあね」



これで、あとは伝えるだけだ。




俺は9時までの間(30分)に風呂に入って気持ちを落ち着かせ、9時5分前くらいに自室の窓を開けた



「…」


幼なじみの

ずっと好きだったんだ

学校はずっと別だったけど、ずっと…好きだったんだ




ガララ…


「岳ちゃん!どうしたの、渡したいものって?」


がにっこり笑って首をかしげた

…可愛い!!!( ←バカ )


「…あの、な…今から言うこと…しっかり聞いてくれな」

「? うん」







「俺、のことずっと好きだったんだ。ちゃんと、女子として。」







その時ののキョトンとした顔や 一拍置いて真っ赤に染まりあがったその頬を

俺はたぶん忘れられないと思う。





その時の帰って来た答えは、


次の日から が毎朝俺を起こしにきてくれるようになったことで分かるんじゃないかとおもう。





( ちゃんと侑士達に報告しなきゃな )





おめでたい日  幸せな日。…俺の、15歳の誕生日は静かに幕を閉じたのだったっ( 報告?終わりっ! )




























END





06/9/16

誕生日夢ってねー!
ごめんなさいごめんなさい遅れまくりまして!でもお詫びに(?)久しぶりな普通ーの誕生日ドリです( 普通じゃない例:海堂あたり )
まぁ…最後強制終了してしまいましたが…( ていうか岳人ニセモノだな!お前誰だ! )
(そして敢えて右下の背景素材は下に連続にしなかった。こういうのも可愛いと思います)

次は…誰?…赤也か!書かねばならぬ!( プチ真田化 ) 氷帝と立海は根性でも書きます。
赤也の次が宍戸キュンとバネさん( パス予定 )ですね。うおおおお氷帝らっしゅー!( 10月入ったら俺泣くよ )