クラウドたちと共に行動し始めてから、まだ日は浅いけど、
あたしはこの人たちがとても大切な存在になっていた。
大事な大事な仲間。

な・の・で。


「なんであんたたち待ち伏せしてたの!?誰に聞いたの!?」
「おーおーそっちの新入りさんも威勢のいいお嬢ちゃんだな、と。悪いがそれは言えないね」


ゴンガガへのジャングルの道でタークスが待ち伏せしてた。
考えたくないけど、内通者がいるかもしれない。
でもみんなを信じたいから、あたしはタークスにつっかかっていた。


「なんでよ!じゃあこれだけは教えて!この中の誰かじゃないよね?絶対!ないよね…?」
「( お? )」
「ないって言えやコルア」
「ごふっ」


何も言わないので、思わず殴ってしまった。
美形の顔に傷をつけてしまった…!すみませんえーと…誰だっけ?赤髪の、グラサンの…タークスの…



「っクラウド」
「それくらいにしておけ」
「う」


チョコボクラウドに制され、しぶしぶ黙り込む。
けどやっぱり耐えらんない。


「どうなの。タークスの赤髪グラサン!!」
「( そういやこのコには名前言ってなかったな、と )さあな。それも言えないんだぞ、と」


赤髪グラサンはそう言ってからニヤ、と笑うとフッと姿を消した。
?を頭に浮かべていると、急に背後に気配と、体を包む温もり。


「俺の名前はレノ。覚えといてくれよな、と…」


あたしが固まっているのをいいことに、赤髪グラサン…もとい、レノはちゅっとあたしの頬にキスを残し、
去っていった。相棒のルードも慌てて追いかけて去っていく。


「…アイツら、結局何しに来たんだ?」
「さあ…」


クラウドとティファの言葉さえ、耳に入らない。
ただ分かるのは、キスされた頬が、じわりと熱いということ だけ。





「レノ…すぐに手を出すのはお前の悪いところだ」
「そう言うなよルード!ティファも見れただろっと」
「…。」
「いやー可愛かったな!まじで攫いそうになったぞ、と」
「…。」←女1人攫うくらいなら逃げてきてよかったと思うルード



攫ってしまおうか

( 恋 の 訪 れ 。 )