たとえば君が僕を愛していたら。僕が君を愛していなかったら。
僕たち2人の関係は、何か変わっていただろうか。


「雲雀だ!」
「…僕だけど、何?」
「なんもないけど!」

えへへと笑う君は、相変わらずアイツを想っているんだろう。

と僕は家が隣同士の幼馴染で
そして君は、さらに隣の家の、もう二度と帰ってくることはない、アイツを愛していて。

強くの腕を引っ張り、その僕よりは小さい身体を、腕の中に閉じ込める
君は静かに わらう。

「ふふ、何なの」
「…別に、なんでもないよ」

頬にひとつキスを落として、君を解放した


君は彼を愛していて
僕が君を愛しているのも知っていて。


それでも君は此処にいるから

君の心がこちらに向くことがないのは知っているけど
僕はずっと、君を愛してる