ー」

「んー?」

「俺の名前呼んで?」

「…どうしたの急に "切原くん"」

「……バカ」









































































は、俺のことを名前で呼んでくれない



さして仲良くない奴でも、俺のことは名前で呼ぶ奴が多い



それなのに、隣の席で、かなり仲が良いコイツに呼ばれないって、なんかすっごい…





「ムカつく」


「は?」





俺はが好きだから、尚更。





「何が?」





「え、私なんかした?切原くん」


「…現在進行形でしてる」


「えぇえええ!?」





に悪びれが無い事は分かってる。


鈍感だってことも。


分かってても、やっぱり結構悲しい。


むくれた様子で言えば、は慌てたように大声を上げ、オロオロしだした。(大声の所為でクラスの奴等が全員こっち見てるし)


…それを分かってるから、やるんだけど(仕返しだばかやろー)





「…な」


「ん?」


「俺の名前、呼んで?」


「何、さっきから…」


「俺の、名前。赤也って名前。」


「!!」




は目を見開き、驚きの色をあらわにした


そこまで驚かれると思ってなかったから、俺もビックリ。





「…やだ」


「は?」


「切原くんの名前は呼びたい。でも、駄目。」


「はぁああ?」





意味分かんねぇ。


あ、アレか?


実はは俺のことが好きで、想いが通じないと名前で呼ばないとか変なプライド持ってるとか。


…ソレを に言ってみた。90%がからかい、9%が期待、1&が不安な心で。


すると。







「!!!!!!!」





の顔が ありえないくらい赤くなった





「(え、マジ…!?)」




どうやら、9%の期待が実ってしまったらしい。






此処が教室だということも無視し、俺はを抱きしめた





「俺も、が好き。

 …なぁ?呼んで?俺の名前」



「き、切原く…」


「なァ、呼んでくれよ。」


「…っ、……ああ あ、あああ、あ、あか…赤也…」





更に真っ赤になったをもっと強く抱きしめれば、

も抱きしめ返してくれて

放心状態から抜け出した教室に居た奴等からのからかいと女子の奇声を聞くまで、俺たちは抱きしめあっていた







なぁ、




好きだぜ?








だから…もっと俺の名前 呼んで?



































なァ、呼んでくれよ
































(呼んで欲しい。もっともっと、その声で 俺の名前を…もっと。)