いつも一緒に笑いあってた。
春は別れと出会いに共に喜び、悲しみ、
夏は共に海へ行ったり部活の応援に行ったり、
秋は共に落ち葉を眺めながら秋を感じていた。そして、冬は―――…

「俺、彼女できたんだぜぃ!」

ぽっかりと穴が空いたようだった。それが何故だか分からなくて、ただ 無性に虚しくて、
雪の中、1人佇んでいた。


そんなある日、友人が言った

「アンタ、丸井くんのこと好きだったんじゃないの?」

ぽっかりと空いた穴の理由を十二分に理解した。分かりたくなかったよ…そんなことなら。


ひらりひらり雪が舞い降りる中、

淡い恋は、始まりもせずに終わりを告げた。


ひとりされて雪の中



( この頬から伝うものはきっと雪。雪がとけた水だ。たとえ暖かくたってこれは雪だ。 )( 涙なんかじゃ、ない )