まだ情事の匂い漂う 暗がりの部屋の、ベッドの中に、2人きり。 手を繋ぎながら、きみの体温を感じていた。 「身体 大丈夫か?」 「バカ…あんた盛りすぎ。すっごい疲れた。腰痛い。」 「ハハ、まぁ俺もまだ若ぇーからな」 「バーカ」 できるだけ、きみと。できる限りの時間を、きみと。 「んー…まだ眠い、かなぁ…ごめんデイーノ、もっかい寝るね」 「!………ああ」 「おやすみ、ディーノ」 「………おやすみ。」 目を閉じて数分後、規則正しい寝息が聞こえてきたきみの頬を手で包み込み、そっと撫でた ( 俺の好きな肌。白い肌。…俺とは、違う 肌 ) 頬と唇にそっと唇を落とし、ベッドを抜けた。事後処理もそこそこに服に手を掛け、次々と衣服を身に付ける 「…愛してたぜ、」 いや、違う。 『 愛してる 』 。 唇だけで形を作って言葉にならなかった空気だけを部屋に残して、そっと、部屋の扉を閉めた。 下手くそな睦言を ( 目を覚ましたとき、あなたは隣にいなかった。 )( 冷たいシーツ。広いベッドに、ひとりきり。 )
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