空に眠れる幾千の星よ。輝きが余っているのならどうか僕に分けておくれ。

乱暴に開けた扉の先にいたのは小鳥。小さくて、ボロボロで、酷く傷ついていた。心も身体も。 泣くことさえ忘れてしまったのか、それとも流す涙が枯れ果ててしまったのか、その小鳥はただ僕を見つめていた。 引き裂かれた服の隙間から除く白い肌には幾つもの傷つけられた痕が残っていて、不謹慎ながらそれがまた美しいと思った
ねぇ、僕は狂ってる?

「…だ れ」
小鳥が、はじめて口を開いた。ああ、話すという動作は忘れていなかったんだね
「雲雀恭弥」
「…何、しに きた の」
「―――キミのご主人様を噛み殺しにきた」
「…あの人、死んだ の?」
「うん」
「…」

小鳥は、静かに涙を流した。ねぇ、どうして泣くんだい?そこまで傷つけられて、弄ばれて、間違った愛を押し付けられていたのに  それでもあんなやつのことを思うのかい?父親、だと 思うのかい?

「…悲しいんじゃ、ないよ。嬉し いん、だよ」

そう言ってキミは微笑んだ。ねぇ、そんな嘘で僕を騙せると思ってるの?キミは間違いなく悲しんでるじゃないか。
でも、でもね それでも僕の手をとるというのなら

「おいで。…名前は?」


「…


僕が教えてあげるよ  本当の愛ってやつをね


終わりを迎えた籠の日々