『君からスネイクを取ったら 何が残るでしょう?』 『今日のこの試合 ブーメランスネイクは出さねぇ。スネイクもだ』 「3-3!」 『乾先輩もラリーには極力手を出さない。…俺1人でアイツ等を相手する』 「5-3!」 どたぁあんっ… 相手チームの1人が脱水症状と熱中症に倒れた。 そりゃそうだ この炎天下の下で2時間以上も地味なテニスを続けていたのだから。 …けれど、 「アンタは無事なんだね 薫」 「…たりめーだろ」 「限界には…まだ、挑戦できなかったね」 あちらの方が 先に倒れてしまって 「…そうだな」 「……薫」 「?」 「おかえり」 ただ、想いをひとつの形にしてみたかっただけ。 薫のこの無謀な挑戦も あたしの この言葉も。 「おかえり――…薫」 「…ああ」 そう抱締め返してくれる貴方が愛しいという この想いを。 想いをひとつの形にしてみたかっただけ |