「…もう 行く、の?」 未だ火照った身体 だるいが上半身を起こし、下着も何も着けないまま、身支度を進め、今丁度上着を羽織った彼を見つめる 「ったりめーじゃん。……大丈夫だよ ボクが負けるわけねぇじゃん」 ふ、と頬に手を添えられる 情事の後の身体は、それだけでも少し反応した それに彼は楽しそうに笑む 「…じゃ、行ってくるから。 大好きだよ、」 触れるだけの唇。 それは 何故か 冷たかった。 「っアウル!」 「…何?」 「もう…一度…もう一度だけ…キスして…」 きっと、それは願いだった。 次こそは、その唇には温もりがあってほしいという。 「…わがまま」 彼はクスリと微笑むと、顔を近づけてきた 触れた唇は、やはり。 「―――…なんで、泣いてんの 」 広がったのは、絶望 だった。 くちづけの絶望 |