紫陽花
止むことを知らず、降り続ける 雨 雨。
決して綺麗ではない水滴は 髪にあたり 顔にあたり 身体にあたり 体温を奪う
まだ、知らなかった
雨が 何よりも優しいものだと云うことを。
知らなかった。
あの、温もりを。
お前と出会うまで 知らなかった。
知ろうとも思わず
お前と出会わなければ
知ることも、無かったのかもしれない。
雨の冷たさも
雨の暖かさも
思わず抱きしめた、あの衝動も あの、“愛しい”という感情も
その、温もりも…
梅雨――アメ―あめ―Rain――
( それは神の涙のように )