A f t e r a l l 「ちゃんっ」 「ぎゃぁぁあああ ジロー!?いきなり後ろから抱きつかないでよ!!」 急に腰に抱きつかれる感覚(というか飛びつかれる?巻きつかれる?そんな感じ) とても乙女とは思えない叫び声をあげ、後ろを見れば、金パのくるくるした髪の毛の、ひつじ少年 「ぶーぶー だって俺ちゃんの体だぁい好きだCー」 「あのねーあたしは侑士のカノ「クソクソジロー!俺も好きなんだよっ離れろ!」 刹那、ジローと岳人がギャーギャーと騒ぎ出した。 「岳人も…(この2人揃うと疲れる…)」 はぁ…と溜息をついて目の前の光景を眺めていると、また誰かに抱きしめられた。 抱きつかれたんじゃなくて、抱きしめられた。背後から。 「アーン?ジローも岳人も馬鹿じゃねぇのか? は俺のモンだっての」 それは他の誰でもなく、俺様何様跡部様で。 「アンタの方が馬鹿なんじゃないのアホ部!(あれ、バカじゃなくてアホだった) あたしはあたしのモンだし、あたしの彼氏はゆ「激ダサだな跡部」 さらにあたしの言葉を遮って現れたのは宍戸。 何しに来たのよ(あ、跡部はがしてくれた え、跡部はがしにきたの?って違うわよね) 「は跡部のモンでもジローのモンでも岳人のモンでもなくて、」 「宍戸…アンタは分かってくれ「俺のモンだ」 「…。」 所詮宍戸もそこらへんの輩と同じなのね… 「先輩たち…嘘言っちゃいけませんよ」 「長太郎…(コイツはまともか?いやそれとも…)」 「先輩は俺のモノですからv(ニッコリ)」 「(まともじゃねぇー!!)」 「へぇ?鳳、そんなこと言ってEーのかな?(ニコ)」 「当たり前じゃないですか ジロー先輩。事実なんですからv(ニコ)」 ちょ、そこ! 二人で黒オーラ対決始めるのはやめてください! 平部員達が青ざめていってますから! 「ねぇ鳳…死にたい?(ニコニコニコ)」 「その言葉、そっくりお返ししますよ(ニッコリ)」 準レギュラーにも被害が! 正レギュラーもそろそろ限界だわ! ってかどさくさに紛れて私の手を握ってるキノコ君は何! 下剋上は堂々とやりなさいッ 「あーもー…(我慢の限界) あたしのカレシは侑士だった言ってんでしょぉがぁ!」 しーん。 あたしの叫び声がみんなに聞こえたのか、辺りは一気に静まり返る。 その沈黙を破ったのは、 「そんなの皆知ってるよ」 「滝…」 「それでも俺達はキミを手に入れたいんだ。キミが好きだからね だから…抜け駆けは駄目だって、いつも言ってるだろう?みんな」 「「「「ヒッ」」」」 真の魔王ここにあり。 滝の笑顔の後ろに阿修羅様が微笑んでおられます(恐い顔も勿論恐いけど不自然に笑ってるよもっと恐いよ!!) 「…で、。」 「は、はひ?」 「さっきから王子様がキミの後ろで凄い形相してるよ」 「へ?」 滝に言われて、コンマの速さで振り向けば。 そこには侑士が突っ立っていて、ワナワナと肩を震わせ、あたしを見ていた 「のあほぉっ」 「狽ヘ!?あたし!?」 「何で俺の助け呼べへんねん…!俺ずっと待っとったのに!」 「何を!」 「『助けて 侑士!』って言葉!」 「アンタ、あたしがそんなセリフ言う奴だと思ってたの!?」 「思ってへん!」 「アンタ言ってること矛盾しすぎだこの丸眼鏡ー!」 「なんやてーっ!?」 ぜぇはぁ ぜぇはぁ。 喧嘩にもならない言い合いを、互いに叫んで息を切らす。 次は何を言ってやろうかと目論んでいたら、侑士はフッと笑った 「!?」 「けど…『あたしのカレシは侑士だって言ってんでしょ』って叫んでくれたことは、嬉しいわ」 「…」 抱きしめられて、何も言えなくなった。 結局、私は侑士が好きなんだ。 大好きなんだ。 助けを呼ぶことを待ってたってことも、ほんとに馬鹿だと思うけど、 それさえも愛しいと思える程、あたしは侑士が好きだ(結局あたしも馬鹿ってことかな) 「〜〜… 男なら何も言わずに助けなさいよ」 「…今度からはそうするわ」 小さく呟けば、そう返事が返されて、自然と頬が緩んだ。 侑士はぎゅ、とあたしを抱きしめなおすと、テニス部員達に叫んだ 「今まで黙認してきたけどな… もー我慢できへん! これからはに触んな。に触れてえぇんは俺だけや」 そう叫べば、部員達からブーイング。 「お前らがどんなけを想っても口説いても触れても、はお前らにはなびかへん!」 「アーン?どこにそんな根拠があるんだよ」 「今が俺の腕ん中に居ること!これが根拠や」 「はぁ?」 他の部員達からのブーイングはやまない。 けど、あたしは嬉しさで胸が一杯だった。 「他の奴等になんかなびかせへん自信がある――…を、ずっと俺のこと見させとく自信が。」 胸が高鳴る。 あたしはゆっくりと侑士の腕の中から抜け出すと、部員達に言った 「あたしは侑士しか好きになんないよ」 その言葉で、他の部員達のさらなるブーイングと共に、侑士の狂喜の声がコート内にこだました。 END 06/3/15 美穂 様リクエスト。 な、なんで私は逆ハーを書くとギャグテーストになってしまうんだろう… あはは(壊笑) こんなもんでよければ貰ってやって下さいませ。 キリ番&リクエストありがとうございましたっ 美穂様のみ苦情可。 (お持ち帰りの際は背景の直リンクだけはしないでくださいませ) By 紫陽華恋 |