「あっ テニス部だ!跡部先輩 優雅だなぁー…忍足先輩 朝から色っぽい…ジロー先輩可愛いーv
 
 宍戸先輩 ワイルド…向日先輩 元気ねぇ…日吉君も今日も元気にキノコね…鳳君も格好良いし…樺地は…、…。」

「…」

「…?アンタ、やっぱり…わかんない?」

「…やっぱわかんないなぁ…何がいいわけ?あんな奴らの。」

「だぁって格好良いじゃん!」

「それだけでしょ?」

「頭も良いよ?」

「そ、れだけでしょ?」

「運動神経もモチロン良いよ?」

「そりゃ当たり前でしょ。運動クラブなんだし」

「家柄もバッチグー」

「…そ、そりゃ…」

「何がいけないの?」

「…っ、と、とにかく駄目なのっ!」


































 ず  ―前編―


































〜…アンタのその“知らず嫌い”もいい加減にしたら?」


「う…」






知らず嫌い。


それは私につけられた、ある種のあだ名の様なモノ。



…つまり、食わず嫌いの様に、食べても居ないのに嫌いと決め付ける…

 イコール、よく知りもしないのに嫌っているという意味。





「なんっかなぁ…」





嫌いというよりは、苦手というほうがしっくりくる、この感情。


なんたってあのナルシストとか俺様とかの性格だよ?


そりゃ苦手にもな…


って…





あぁぁああああぁぁあああああ!!

「なっ、何よ !!」

「分かった!分かったよ、テニス部が嫌いな理由!!」

「え、マジ?何?」

「ずばり!性格ナリ☆」






しーん。






…お願い…!!

そんな当たり前じゃん、っていう様な冷たい目で私を見ないで!!

ノッてくれないとこのアホみたいなテンションがほんとにアホみたいじゃん!








「ってかアホじゃん」

「狽、ぅっ」 グサッ








の言葉に、私は大ダメージを受けました。

痛いです。

これが言葉のナイフと云うんだね…







「〜っでもさ、性格悪いのは認めるんでしょ?

「んーまぁね でも、それって跡部センパイだけじゃん?」

「うーん…でも違うかもしれないよ。」

「え?」

「皆好かれるのが当たり前だとか思ってるんだよ。
 (噂で聞いたんだけど)告白されて『無理』とか『ブス』とかの一言で終わらせるなんて酷いじゃん!」



「(噂で聞いたんだけど)俺様ナルシストに変態関西人でしょ、それに無駄に飛び跳ねてるおかっぱ!」

ー」

「(噂で聞いたんだけど)激ダサとか言う激ダサな口癖を持つ人やとにかく寝てる人」

っ」

「(噂で聞いたんだけど)2年もワンコにキノコにフランケン――」

「―――…?

「はいいぃぃぃぃいいっ」








静かに呼ばれた私の名前。

呼んだのは、大親友のさんです。

(因みに私の特技はすぐに自分の世界に入り込むことです。テヘ☆(テヘじゃねぇ)







「なっ、何でしょう!!!」

「後ろ、見てみなよ」

「え…?」
















「え、と…男子テニス部2年レギュラーの鳳 長太郎です…
 は、初めまして…、さん…」

「は…ハジメマシテ」
















うっぎゃぁぁああああ!!

き、聞かれてた!?聞かれてたの!!?






「え、えっと…先輩たちに、さんの事呼んで来いって言われたんだけど…来て、くれるかな?」

「!!煤i゜□゜;(リンチ!?)」

「い、嫌なら良いよ?ちょっと俺が何か言われるだけだし…」

「だっ、だめ!それはだめ!」






…テニス部にも良い人いるんじゃん!






「キミが何か言われるくらいなら、私 行くよ」

「え、でも…」

「いーから!」







鳳くんの腕を引っ張って教室を出た。

…のは良いけども。







「えー…と…どこに?」

「…部室です」

「あ…ど、どうぞお先に」








…恥ずかしい。

行き先知らないのに先に出てどうすんだ私。
















とりあえず控えめに前を歩く鳳くんの後ろを付いていく。
















「(何かしたっけ…いやいや文句を言っただけだ。え、それがもはや罪ですか?
 いやでも聞かれてない筈なんだけど…う〜ん…)」

「ついたよ。」

「あっ、はい!」






元気よく返事をしてみた。

…多分、から元気ってヤツ。






そして、改めて目の前の部室を見上げた。
















「…えーと、部室…だよね?」

「うん 部室…」

「……どっかの豪邸の離れと間違えてない?」

「間違えてないよ」
















…OH!!





どうなってんだこの学校のテニス部は!!



今まで苦手だったから全然知らなかったけど こんな意味不明なわけ!?



部室でかすぎ!豪華すぎ!



顧問も榊太郎(43)らしいし!スーツスカーフ野郎が何故テニス部顧問?行ってよし!!(意味不明)








「じゃ…入るね」

「は、はひ」





コンコン



「鳳です。さんをお連れしました」

「…よし、入れ」









急に名前呼びになった鳳くんに少し驚きつつも、中から聞こえてきた威圧感のある声に少しビクっとする。









ガチャ…





「どうぞ、ちゃん」

「あ、ありがとう鳳くん」

「名前で良いよ。ね、ちゃん」

「え、あー…うん、長太郎くん」




この時 私は知らなかった。
















「よく来たな…
















私が呼び出された理由がリンチでない事も、
















「「「「ようこそ、男子テニス部へ」」」」
















長太郎くんの突然の名前呼びの意味も。


















































「歓迎するぜ――…


















































これから知らされる、悪夢を。




























END





06/2/26

柚依 様リクエスト。

お、遅くなって申し訳ありません…!!
何かギャグ街道突っ走ってしまって…;;
しかも、長くなってしまい、前編後編とさせて頂く事になりました(^^;
後編はすぐに更新すると思いますので、少々お待ちください!

柚依様のみ苦情可。
(お持ち帰りの際は背景の直リンクだけはしないでくださいませ)

             By 紫陽華恋