肩に掛かる


全ての重圧




「日番谷 冬獅郎
 主を十番隊隊長に任命する。日々精進し、十番隊を導くように。活躍を期待しておるぞ」

「はい」


隊長としては異例の若さだということは十分に理解していた
それにより反感や不安を買い、隊長としての義務もはじめは十分に果たせないだろうことも。
それでも俺はやろうと思っていたし、やれると思っていた。

けれど、


「っあー……」

それは予想していた以上に大変なものだった。
十番隊の隊員、他の隊の隊長、様々なところのからの重圧が、肩へ重く圧し掛かり。
疲労や負担は日々増えていくばかり

「隊長。お茶飲みますか?」
「ああ、頼む松も」

コンコン

「第四席、です。お茶をお持ちしました」
「ああ…、入れ」
「はい。…失礼します」


は、いつも信じられないくらいのベストタイミングでお茶を持ってきてくれる。
そこを俺は気に入っていたし、凄いとも思っていた。…そこから生まれたある感情があって、
松本はそれを感付いているのか、と共に隊長室を出て行く
が松本の分までお茶を持ってきたもんだから焦ってる )


「っはい!」
「お前もそこに座って飲め。」
「えぇええ!?でも…」
「俺がいいって言ってんだからいいんだよ」


ニ、と笑うと、は困ったような表情をしてから、ハイ と笑った
その笑顔に俺がドキっとしたことなんて、コイツは知りもしないんだろう

そしてこの笑顔とこのお茶に、俺の肩にかかる重圧がそっと和らいでいくことなんて、
俺自身馬鹿みたいだなと思うくらい、の存在に救われてるということだ



「お前の茶は 美味いな」

「…ありがとう、ございます」



日番谷隊長は知らないでしょう?
いつも私がこのタイミングでお茶を持ってこられるのは、
いつも隊長が帰ってくるのはまだかまだかとずっと外を見ているから なんて。
あなたの気まぐれでこうして一緒にお茶を飲めることがどれほど嬉しいかなんて、あなたは知りもしないんでしょう

こんなお茶であなたの疲れが少しでも和らぐのならばと、
こんなお茶であなたの疲れが少しでも和らぐことが私のたったひとつの願いだなんて 言えるはずもないけれど。