手の内は
幾ら喧嘩が強くて力で捻じ伏せようと 男の子がそういう力を尊敬する傾向があろうと これだけの数の人間(しかも不良)を、束ねるのは相当なことだと思う。 「ねー雲雀。どうやったらこんだけの数の不良手懐けられんのー?」 「知らないよ。一度咬み殺したら勝手に懐いただけだ」 「いや、違うでしょ」 「…もし何かあるとしても、そんなのキミになんて教えてあげないよ」 「部下でもなんでもないあたしに、手の内は明かさない?」 「…そういうこと」 そう微笑んだ雲雀が凄く美人でカッコよかったので、 なぜか無性に凄く気になった疑問でさえも吹っ飛んじゃったなんてことは、 ( 言ったらなんだか「馬鹿じゃない」と咬み殺されそうなので、 ) とりあえず内緒にしておこうと思う。 |