ピアスと、


「なぁ光くん。今年の全国大会て東京であんねんろ?」
「そーですけど。それがどないかしたんですか、さん」

今日もキミは素っ気無くて、一向にこちらを振り返ろうとしない
キラリとキミの耳で光るピアスが切なくて、ぎゅっと下唇を噛んだ

「応援に行ってもえぇ?」
「そんな金あるんですか?」
「搾り出したらそれくらいあるわ」
「好きにしてください」

でも、俺の応援だけしてると先輩らに俺が怒られるんでちゃんと先輩らの応援もしたってくださいよ。

そう言うキミは私がキミに向けている想いに気付いているのに、それをただ受け流している
嫌なら嫌だとはっきり言えばいいのに。

この距離は、辛い

「…光くん」
「なんですか」

「好きや」

言葉にしたら 何かが変わるだろうか。

そんな期待と不安を胸に、私はその想いを口にした


直後、きらり ピアスが輝くキミの耳が一気に赤くなったのは、気のせいだろうか。

輝いたのは  ピアスと、わたしの気持ち