ひらりひらりと
夜の闇の中、ピンク色の花弁が 舞い落ちる

静かに、美しく。

それはまるで、


1人の少女の 淡い初恋のように。






君と歩いた季節の中に act.01 - 夜桜 -






( あー…もう3年生かぁ… )


思えばあっという間だった。
1年生の時間も、2年生の時間も。あっという間に過ぎてしまった。
楽しいこともあれば悲しいこともあり、嬉しいことや、苦しいこと、ムカつくことだって数え切れないほど。
この間入学したばかりのような中学も、あと1年で終わりを迎えるのだ

窓から見える 遅咲きの桜が夜に舞う。

―――明日はもう “中学三年生”最初の、始業式だ


( あの人とも、あと1年しか同じ学校にいられないんだ )





立海中最後の年が

夜に舞う桜と共に、静かに 幕を上げた。








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