「AHAHAHAHA☆ んー?もっかい言ってくれるかな景吾くーん?リピートアフターミー?あ、間違えたワンスモアプリーズ?」 「…だから、男子テニス部のマネージャーになれって言ってんだよ」
紺碧色の空に、柑子色の約束を。
「はい却下。」 「何でだよクソクソ! 「何ですって?」 すんません」 「俺にマネやって欲C〜」 「ぐっ…(可愛い…!)」 「俺もやさん〜」 「黙れ伊達眼鏡!お前の意見なんぞ知らんわ!!」 テニス部部室とやら(っつーかもはやこれ一軒家じゃね?)に連れて来られ、何かと思えば テニス部のマネージャーになれ。 ほんっとこのお坊ちゃんは…!何様だっての。…あ、俺様か☆ あたしに向かって土下座している向日岳人は置いといて…芥川慈郎はちょっと可愛い。侑士は文句なしにキモイ。 もうユニフォームに着替えてる人も多く、ほぼ半数以上が浅縹色のジャージを身に着けていた。 そう…出会った当初も思ったけど。あたしは、このジャージも知ってるんだ。 話を戻す。…マネージャーってことは、世話をしろってことよね? 「( これ以上こいつらの面倒見ろって?…ありえない!ちょっと本当まじ勘弁してください。つか何故?Why?ホワッチュアネーム? )」 「My name is Keigo Atobe.」 「や、すんません間違えましたっつか心読まないで下さいなんかまじですんませんまじで」 心の中であまり考えずに英語喋ったら景吾がちゃんと答えてくだすったよ!(くだすったって何だ) つか、心 を 読 ま な い で ! ! 「で、何で?」 「そりゃ、俺様が気に入ったからだ」 「うっぜー。超うっぜー。」 ほんっとこのお坊ちゃんは!!!(2回目) 常識人と思われる宍戸亮に視線を移すと、宍戸亮は何で俺?!みたいな顔をしつつも説明してくれた。 ありがとう、心の友よ…!!( ビバ常識人☆ ) 「いや、だからさ…もう分かったと思うけど、俺達のファンってのがいっぱいいてよ。 マネージャーを志望するのもそんなミーハーな奴らばっかだから、キャアキャア騒いで仕事しねえんだよ」 「ふーん?だから、アンタ達に興味ないあたしにやってほしいって?」 「何より俺様が気に入っ 「ちょ、分かったから黙れ?」 あっすんません」 部屋の隅っこで体育座りし始めた景吾は置いといて、皆を見渡すと、皆が皆、期待した目であたしを見ている。 確かに、ちょっと面白そうではある。でも、今は今の状況だけで充分なのだ。 知ってるはずの世界。なのに、知らない世界。知らないはずの人々。なのに、知ってる人々。 意味の分からないことが多すぎてすべてがぐちゃぐちゃしている時に、こいつらの面倒なんて見てられない。 せめてこの世界が何なのか、あたしは何でここにいるのか…それくらい分かってからじゃないと。 それに何より、 面 倒 く さ い 。 絶対こいつらワガママだし!絶対パシリにされる。そんなのお断りだああ!! それに絶対あの女子共も五月蝿い。そんなの う ざ す ぎ る !! 「さっきも言ったけど…断らせてもらうわ」 「何でですか?さん…俺達、本当にさんにマネージャーになってほしいんですよ?」 しゅん、と耳と尻尾を垂らしている( ※幻覚です )鳳長太郎にちょっとぐらっときたけど、こればかりは譲れない。 ごめんね、と言うと、 「ああ、そうですか」 とすごい笑顔でにっこりされたのは気のせいだと思いたい。 「まあ…そりゃそうでしょうね。アンタ、記憶喪失なんでしょう?俺たちの世話なんてしてる余裕、ないってわけだ」 「よく分かってるじゃない日吉くん。…つーか、普通分かるでしょアンタ達も」 「先輩たちはもっと他人のことを考えるべきなんですよ。…ご迷惑お掛けしました、さん」 ちょっと困った様に謝る日吉くん…!素敵すぎる!! 超俺様でナルシストでちょっともう人間じゃなくね?な奴とか超変態でMでロリコンな伊達眼鏡とかとは 比べ物にならないくらいいい子だ…!! そう感動し、思わず日吉くんに抱きつくと。 「…まあ、俺もできればさんに来てほしかったですけど、ね」 ちょっと頬を赤らめてそんなことを仰いました。 やべえ、萌え。 これがの言ってた 「萌え」 ってヤツね…!やっと理解したわ!!! 思わずやっぱりマネやる!!と叫びそうになるも、塵と化していた理性が全力で働いた。 落ち着け、落ち着けと自分に言い聞かせ、そっと日吉くんから離れる。 そして、苦渋の葛藤の末。 「ごめんね。もうちょっと余裕ができたら考えるから」 そう優しく言って、もう聖母マリア様ばりなんじゃねーの?的な優しい笑顔を浮かべ、断った、ら。 「 チッ 」 …チッ? 『 ったく折角の俺の演技も意味ねーじゃねーかよ単純なのか単純じゃないかハッキリしろよなっつか俺の苦労を返せ 』 日吉くんの顔には、綺麗にそう書かれておりました☆ まさかの 演 技 派 ・ ・ ・ !! あの萌えが偽りだったなんて…!!(そこ) 「…っとにかく、あたしはやらないから!!じゃあね!!」 なんだか自分が馬鹿みたいだったので ( みたいっつーか完全に馬鹿だ )、勢いよく部室を飛び出す。 そして、よく分からない学園敷地内を駆け抜け、校門を出て、走り出した。 そう、忘れていたのだ。 恥と勢いのおかげで…あたしがこの辺のこと、そして今暮らしている景吾の家の場所さえ覚えているわけがないってことを――――― 次回、氷帝連載のつもりが耐え切れずに彼が出てきます(・∀・)つか寧ろ主要キャラ(・∀・)すんません(・∀・) |