昼食は、チャーハンだった。 あの後、そのまま近くのスーパーに行き、二人で買い物をした。 周りの人にじろじろ見られた気がしないでもないけど、そこはスルーだ …やっぱり、チャーハンも美味しかった。 仁王くん、恐るべし(?) 「…じゃ、学校 行くとするか」 「うん」 少しでも知ってもらう。私のことを。 そして話してほしい。…いつまでも此処に留まり続けることの意味を―――… 「よぉ仁王、」 「…丸井」 「丸井くん。こんにちは」 「おう、コンチワ」 学校に行く途中、丸井に出会った は笑顔を見せ、丸井に走り寄る ( ………。 ) 「丸井くんはどうしたの?散歩?」 「いや、これからジャッカルん家に行くんだ。新作のゲーム買わせたから」 「…買わせた…?」 「いや、間違い。買ったらしいから」 そう言って笑いあう二人。 …何かが自分の中で 渦巻いてる ( …まさか。 ) 認めたく、なかった。 「じゃあ、私たちは学校に行くからさ。バイバイ 丸井くん」 「ああ、じゃあな。気をつけろぃ」 「うん。」 「…またの、丸井」 丸井と別れ、再び学校を目指して歩き出した 隣を歩くを一瞥して、少し物思いに耽ってみた 渦巻く感情 それは、 「…情けない」 「へ?な、なにどうしたの 仁王くん」 「何でもなか。独り言じゃけぇ」 きっとこの感情を認めてしまえば、おのずとこの気持ちまでをも認めなければいけないのだろう 出会ってたった1日。されど1日。 まだ一日だけだとしても、同じ屋根の下で暮らした彼女。 少しずつ 彼女の内面を知ってゆく そのたびに気持ちは動く。 「高田さん」 『…また、来たの…』 高田は振り返る事無くそう返した 「昨日言ったでしょう?毎日来るって。 …まず、自己紹介。私の名前は。 。」 高田が、此方を振り返った。やはり 無表情。 『…あなたが、教師達が言ってた霊媒師ね…あたしを消すの…?』 嘲るように高田は口角を吊り上げた。…嗤っている 「違うよ。あなたを救うの」 『…同じことよ。あたしは救いなんて求めていない。あたしを救うことは、あたしの意思に反すること…』 そう言う高田に、は一瞬、悲しそうな表情を見せた …が、再度口を開く 「…あなたが此処に居続ける理由は、未練?恨み?それとも…」 『…。』 「あなたは苦しんでる。」 がそう言った途端、高田は急に叫んだ 『っ苦しんでなんかいない…!あたしはこうなることを自ら望んだ…!あの人に 復讐するために…!』 初めて…と言っていいだろう 高田が、感情を露にした。…霊にも感情はあるのだ。それが例え、恨みや憎しみだったとしても。 「あの人…?…その人に、苦しめられたの…?」 『…き…ったのに』 「?」 『好きだったのに!!』 高田はパニックに陥っているのか、自分が重要な言葉を吐き捨てていることに気付かない。 …好きだった人に、苦しめられた? 「好きだったんだね…その人のことが」 『あの人は踏みにじったのよ…それを知ってて…私を…!』 「その人に、何かされたの…?」 『私を苛めていた人達と組んで私を犯した…私に残されたのは嬉しさなんかじゃない… 憎しみと…彼の欲の成れ果てだけ…!!』 高田は叫び続ける。 正気じゃない。飛び降りる寸前のときのような、狂気の瞳をしている 『憎い…憎い…!あの人が、憎いのよッ…!!』 途端、辺り一面に風が吹き荒れた。 屋上は特になにもないので何かが飛んでくるわけでは無いが、…この風は 強すぎる 「きゃあああああ!」 「っ、…!」 が飛ばされ、フェンスにぶつかった。 ―――そして、あろうことか パキ…ン ぐらぁっ 「っ…!!!」 フェンスが倒れ、の体が―――…傾いた。 |