「あああああああ…雲雀さん不足…」
「何言ってんのアンタ…」

友達のミキちゃんが呆れながら私を見た。私は視線を返すこともせずに俯いたままレモンティーを飲み干した。 …今日は休日、ここは某喫茶店。
[休日=学校がない=雲雀さんに会えない] 私は毎週土日はこうやって友達と遊びながらも項垂れているのだ。

「アンタほんと物好きだよねー。あの雲雀なんてさ。怖くないの?」
「全ッ然!雲雀さんは優しいよ?ちょぉおっとバイオレンスですけども!
いやちょっとどころじゃなくない?
「まぁそんなことは関係ないのよ!私にとって雲雀さんは生活必需品?いやむしろ体の一部?みたいな?」
「気持ち悪ッ」
「あ!そうそう!分かった、この言い方が1番いい!だから―――

「「 栄養補給剤 」」

…あれ?今誰かと私の声がかぶったような気がするんですけども? ミキちゃんを見てもただ驚きと恐怖に顔を染めてるだけで違うっぽいし、…ってなんで驚きと“恐怖”? ……。………まさか――――

「キミは休日でも馬鹿なんだね」
「雲雀さっ…!?」

なんと私の背後にいらっしゃったのは我等が雲雀さんではないですか! テンションアップ↑アップ↑って感じです。ハイ。

「何で僕が栄養補給剤なの。( 何となく言ったら当たっちゃったし )」
「それはですね、私の中に 『雲雀愛』 という臓器があるからですよ!!」
気持ち悪いよ それ。やっぱりキミはストーカーだね」
「たとえ雲雀さんに気持ち悪がられようとストーカーだと言われようとあるものはあるんですっ!」

そう言ってふんって胸を張ったら雲雀さんは暫し呆れた目で私を見つめてから、

「馬鹿な上に頑固だね、キミは」

そう言って微笑んでくださった(フッて感じに。ちょっと嘲る感じに。)  決して優しい笑みではないけれど、私にとっては枯れた心を潤す甘い蜜のような。
馬鹿でも頑固でもストーカーでもいいです。大好きですよっ、雲雀さん!!

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