「雲雀さん?雲雀さーん?」

応接室、2年B組、中庭、屋上・・・・彼がいそうなところを、探して探して探し回る。それでも見つからないので、しまいにはごみ箱の中とかも見てみたけれど、見つかるはずもなく。

「雲雀さあーん・・・・」

ちょっとだけ泣きそうになりながら、応接室に舞い戻る。
雲雀さんがいない。
朝から、一度も見てない。いつも、一度は学校にくるはずなのに。 風紀委員に聞いてもみんな知らないと言う(草壁くんもいないし)。 まさか、なにかあったんじゃ。彼は強い。でも、世界は広い。き っと彼より強い人だっているはず。その人たちに、やられたんじゃ。 そう考えるといてもたってもいられなくなって、ばっと立ち上がる。 応接室の扉を思いきり開けて廊下に飛び出る と。

「…?」
「っひば、」
「そんなに急いで…どうし」
「雲雀さん!!」
「ちょっと、いきなり何?離れないと、咬み殺」
「雲雀さん…・よかった」
「…」

彼に抱き着いて、その温もりを体全体で感じる。よかった、生きてる。  愛、しい。
普通でない私の様子と、放す気がないのを感じ取ったのか、雲雀さんは取り出していたトンファーを直し、抵抗をやめた。

「どこ、行ってたんですか探した、んですよ…」
「…どこって…校長室」
「………は?」

予想外の返答に、涙がとまった。確かに、校長室は気が引けて調べなかったけど。・・・学校内に、いたんだ。

「よかった…!」

抱き着いたまま、私はまた泣いた。泣いて、泣き疲れて、眠ってしまうまで。


「すー…すー…」
「( え、結局なんだったの? )」

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