じりり じりじり

照りつける太陽と、

じめった空気


夏の匂いと共に、


何かが動き始めた、気配がした






君と歩いた季節の中に act.15 - 終わる夏によせて -







「…お疲れ様、みんな」
「…」
「…ああ、応援ありがとうな」


関東大会
1位…青春学園。立海は、決勝で青学に敗退した。

信じられなかった。
だって、仁王も、柳生くんも、丸井も、ジャッカルくんも みんな、順調に 勝って…

…でも、これは事実であり真実。
負けを、認めなければならない。


「…俺たち、負け――― 「全国大会って、9月なんだよね!応援行くよ!」 っ……、サン…」


きっと、謝罪とか、弱音とか、そういうことを口にしようとしたであろう赤也くんの言葉を遮る
場違いなのは分かってる。でも、精一杯笑った


「…大丈夫だよ。私、信じてるから」


みんなにそう言って、私はくるりとみんなに背を向ける
すぐ、隣に仁王が立ったのが分かった

頭に、ぽん と、手をおかれる


「…っ、なに…」
「…ありがとさん」
「…っ…ぅ」


堪えていた涙が、溢れ出る

駄目じゃん、仁王。私が泣いたらいけないって思ったから、我慢 してたのに。


「…次は、勝つ。絶対に。…応援シクヨロ…の?」
「っうん!」
「ちょ、オイ仁王!お前パクってんじゃねーよ!!」


空を見上げたら、澄み切った青空に 太陽が、燦々と輝いていた。


…夏はまだまだ 終わらない

彼らの夏は、まだ 始まったばかりだ。





少しだけ何かが変わった夏が終わると

涼しく美しい、秋が僕らを待っている









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*これにて夏は終わり。次は秋に入ります