大人になるにつれ、

道は少しずつ別れていく


これは一番はじめの  分かれ道。






君と歩いた季節の中に act.18 - 落ち葉拾い -







「っあー!勉強なんてしたくないぃいい…」
「…それは誰でも思っちょるけぇ…俺が教えたっとんに、ちゃんとしんしゃい」
「………はぁーい…」


只今、9月下旬です
10月のはじめにある中間考査に向けてお勉強中。
私の苦手教科は  数学 なのです

そのため、数学が得意な仁王雅治くんに教わっているのです( IN 学校近くのファミレス )


「なんなんですか。方程式は何で方程式じゃないんですか。
 連立方程式で充分でしょう。何で二次方程式っ…!?ワケわからんよ!」
「そんなん俺に言われても困る。」
「…そうだけどさ。あ、ココは?」
「ここはxの値を…」


流石数学得意なだけあり、何を聞いても教えてくれる。
聞けば全教科何も勉強しなくても平均は取れるらしい。…いるよねそういう人…
中でも数学は何か分かっちゃうらしい。…何だそれ!


「進路とか、もう考えちょるんか?」

「っ、え…」


予想外な問いだった上に、私にとってはタイムリーな話だったのでかなり驚いた


「…ううん、特には」


本当は、殆ど決まっていた。
3年生に上がる、少し前から。


「仁王は?」
「勿論このまま付属の高等部に上がるけぇ。もそうやないんけ?」


これは決定事項だし、でも、認めたく なくて


「…うん、そう かな」



中学を卒業したら 引っ越すって こと、を。







<< * >>