春は出会いと別れの季節。 君と歩いた季節の中に act.05 - 終わる春によせて - 「おお。同じクラスじゃったんか」 「(まじでか!)」 本来ならば仁王の名前はちゃっかり探しておいたりするのだが。 今回は友達のことでいっぱいいっぱいで知らなかったのだ。何というサプライズ。 「よろしくの」 仁王が一足先に足を踏み入れ、振り向いて、微笑む。 も教室に入るが、脳内はパンク寸前だった。同じクラスという問題ではない。それ以前に、 「( え!?ちょ、友達になっちゃったよ?!は!? )」 1年のときから想ってきた仁王と。なぜか。 1人でガッツポーズをしていただけなのに。( つか変人じゃん! ) 「(あ、仁王も変人だから変人である私を気に入ったとか?変人だなぁ仁王… いやだから仁王が変人だから私を友達にしたんであって、変人は私であり…。あれ?分からんくなった )」 ああもう分からない。 でも、 「何しとん。早よおいで」 「…ハイ」 ま、いいか。 奇蹟のような出会いと共に *これにて春は終わり。次は梅雨に入ります |