流れていく水 君と歩いた季節の中に act.08 - 大洪水 - 「…。」 「…。」 「雨、じゃの」 「雨、ですね」 「「 …やっぱり 」」 不動峰中との試合を終え、私と仁王は一緒に帰っていた。 帰りに何か食べて帰ろうよ、とか話しながら。 会場を出て、少し歩いたところで。 冒頭部分に戻るわけです( 何が起こったのか察してください… ) 「どうする?傘持ってきてないよ、雨宿りする?」 「とりあえず、何か食べるってのも実行するために…ファミレスでも入るか」 「そだね」 小走りで、会場の近くにあったファミレスに駆け込んだ 店員が来て、人数を確認すると、席に案内してくれる 席について、やっと一息つくことが出来た 「うわーぉ。…どしゃぶり」 「流石俺らじゃのう」 「嬉しくないねー」 「クク、そうじゃの」 仁王は笑いながらメニューを取る 机の上に広げたのを、私も横から覗き込んだ 「んー、やっぱここはチョコパかな。あとドリンクバー」 「…焼肉定食とドリンクバーと、デザートにプリン」 「え、そんなの食べるの?今まだ3時だよ」 「プリ」 「( …プリ、ン? )」 「プリンじゃなか」 「( 見抜かれたッ )」 店員を呼んで注文した 店員が下がったところで、私が口を開く 「今日…凄かったね、切原くん」 「…赤也のう。まさかあんな底力があるなんてな。正直もう対戦したくなか」 「…怖かった。」 「そうじゃの…」 相手の…橘?くんはどうなったんだろう。大丈夫なのかな… そんなことを思っていると、仁王が私の頭に手を置いた 「あ、あの?」 「大丈夫じゃけぇ、心配しなさんな。( しかも他校の部員じゃし )」 「ん…ありがとう、仁王」 ぽんぽんと頭を撫で?いや、叩かれ?私の心は大分落ち着いた やっぱり仁王って凄いなぁと思う …いや、ただ単に私が仁王のこと好きだからだと思うんだけど。 とりあえず、友達だとしても、仁王が頭を撫でる女子なんて私1人しかいないわけで。 「( …嬉しいなぁ )」 何でもないひと時が 凄く幸せなのだ 「…洪水」 「…寧ろ、大洪水」 食事を終え、帰ろうかと思ったのだけれど。 外を見ると、さっき以上の、雨 雨 そして、地面は軽くどころかかなり洪水状態 「…帰れない」 「とりあえず…もうちょっとここにおるか」 とりあえず私たちは今すぐ帰るのを諦め、ドリンクのおかわりへ向かったのでした。( ちゃんちゃん♪ ) |